T型フォード
最初の自動車大量生産は、フォード社のT型フォードです。色は黒一色。何故なら黒が一番乾きが早く、その意味で大量生産向きだったからとのことです。T型フォードは、1908年から1927年までの間19年間で何と1500万7033台も売れました。4輪車でこれ以上の記録があるのは、2100万台以上売れたフォルクスヴァーゲンタイプⅠのみです。それは大衆が買いやすい廉価だったからです。大量生産の御陰です。具体的には1908年当時、アメリカ人の平均年収が約$600、他のクライスラーなどの自動車の値段が約$2000、T型フォードは$500でした。そう、クルマを所有することがアメリカンドリームだったのです。T型フォードなら頑張れば買える!
ヘンリーフォードが言っています。「俺はそこで生まれてそこで死んでゆく農民に足をプレゼントしたいのだ!」
画像出典:Wikipedia
大量生産 1
わたしも「ペダル踏み間違い事故防止装置」として「手動スロットル」(2015年)と「左足ブレーキ」(2017年)を発明しました。そして2017年の今、思うことは、踏み間違い事故防止のためには、この装置を如何に社会に浸透(売れる)させていくかです。そのためにはどのようにして大量生産するかにかかっています。T型フォードにしても、売れ始めたから大量生産を考えたのでしょう。でもそこが経営者としての考えどころ。どのくらいの注文があれば大量生産の準備を考えるのでしょうか?ここは自分の装置(T型フォード)にどのくらいの自信を持っているか?そこには冒険するほどの投資が必要になるからです。
本当に売れると確信できれば、ここで銀行からお金を借りて設備投資をするのでしょうが、ヘンリーフォードがやったようにはなかなかできないのです。
画像出典:大野一郎
大量生産 2
さて、大量生産といっても色々やり方があります。自動車の場合は、ながれ生産です。ラインの上をシャーシが流れ、組立工がエンジンやら電気部品やら内装部品やら組みつけていくのです。2017年現在はそのほとんどをロボットがやっています。燃料電池車トヨタミライはこれと同様に流れ作業でラインにのって組み立てられていますが、残念ながらロボットの力に頼れず、全部人の手で組み立てられています。それで1日に作れるのが3台どまりになっています。
T型フォードは、最初車輪をつけてからロープで引っ張って流れ作業しました。ベルトコンベアの登場はそれからです。
大量生産 3
19世紀のアメリカシカゴでの食肉加工場では牛でも豚でも天井から肉をつるし、流れ作業で各部位を専門の職人がそれぞれ解体していくのですが、これをみたヘンリーフォード1世が「これだ!」と頷き、自動車の大量生産に取り入れたそうです。
画像出典:Wikipedia 食肉工場
画像出典:Wikipedia 上段左:ヘンリーフォード1世 上段右:1000万台目のT方フォード。
動画出典:youtube
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