自動ブレーキの老舗 スバルアイサイト

09 7月 2017

「自動ブレーキ」を初めて紹介したのは何といってもスバルです。障害物検知に単眼カメラを用いていました。自動車の運行に関わる重要操作の自動化は初めてのことだと思います。出始めの頃はスバル側の販売員が装置についてよく理解せずに体験搭乗会などを行ったために止り切れずに障害物に衝突することもありました。

そのアイサイトが単眼カメラから複眼カメラに進化し、ソフトを改良したVer.3はどうでしょう?(2017年7月現在ではVer.4が出ているようです)

画像出典:Wikipedia スバル 複眼カメラ

画像出典:Wikipedia スバル スバルレヴォーグ

以下スバルオーナーのアイサイト使用レポートです。解りやすいと思いますのでほぼ原文のまま転載します:

身近な実験室 Let us try !! (http://standk.sakura.ne.jp/exd/eyesight-ver3/)

EyeSightのオートクルーズを使ってみた

画像出典は全て「身近な実験室」より

EyeSight Ver3の操作パネル

最初に、①オートクルーズのボタンを押してから、走行状態で②セットを押すと自動追従が始まります。

Scan_02

上の写真のように、最高で114Km/hまで設定することができます。

ここまでは、これまでのオートクルーズと同じです。 アイサイトが凄いのは、先行車にスピードを合わせて走ることです。 先行車が止まれば、それを見つけてレボーグ(大野註:車種名)も自動で止まります。 さらに1秒後には、エンジンもアイドリングストップ(大野註:)自動的に止まります。 ドライバーはハンドル操作だけで走り続けることができるようになりました!

続けることができるようになりました!

文章で書くとこれだけですが、実際にやってみると驚愕です。 なにせ、もしも止まらなかったら追突事故になるのです。 こんな車を公道走らせて、本当に大丈夫なのだろうか~!?

最初はドキドキして不安になり、いつでもブレーキペダルを踏めるように身構えていました。 けれど、使い込んでいるうちに、だんだんとアイサイトを信用するようになってきました。 私がブレーキを踏もうと考えるタイミングよりも、常に少し早めにアイサイトがブレーキをかけ始めるのです。

また、止まるときは急ブレーキではありません。 普通のドライバーが運転するように、フツーに、スーッと止まります。 さらに先行車が止まるとアイドリングストップでエンジンが完全停止します。。。スッゲー夢の車

先行車が出発すると、「ボピッ!」という音と同時に「先行車出発」という表示がメータに出ます。 このとき、③レジューム(大野註:復帰)を押せばエンジンが自動スタートしてレボーグが走り始めます。 アクセルも、ブレーキも、全く操作なしです。

先行車と距離があいた場合、追いつくまでは結構なスピードで走っていきます。  先行車がノロノロと走っていたりすると、視界に近づいてくる先行車にぶつからないか心配になってきます。 でも大丈夫。。。「ウワァーぶつかる!ブレーキを踏もう」と私が判断する直前に、ちゃんとスピードが落ちて先行車に追従し始めるのです!

例えば隣接車線から割り込みがあって先行車が入れ替わっても大丈夫です。 常に自分の前を走っている車に追従してくれています。

EyeSight Ver3  予想外の動き

オートクルーズを実験していたとき、一度だけ予想外の動きがありました。

そのときは、かなりのスピードで自転車が路肩を走っていたのです。 先行車が自転車を追い越して、目の間に自転車が現れたとたん、レボーグはグーッとスピードを落として自転車に追従を始めてしまいました! アクセルを踏んで自転車を追い越すことができたので、危険はありませんでした。 けれど私の判断とは違っていたので焦りました。 (自転車が路肩を走っているような一般道でオートクルーズを使った私が悪いですが!)

※つまり、高速道路であろうが一般道路であろうが、2017年7月現在のアイサイトでは、先行車が「自動車」であるのか「自転車」であるのか違いを認識できない訳です。これはソフトの改良によっていつかは改良されていくのでしょうが、この程度だということは認識しておく必要があると思います(以上大野)

台風で止まったEyesight

大きな被害をもたらした台風11号が関東地方を襲っているとき、私のレボーグは圏央道をEyesightのオートクルーズで走行していました。 横風が強いとき、スバルの4輪駆動は安定度が高いので高速道路を楽に走れます。

雨の中をそれなりのペースで走っていたら、 雨脚が猛烈に強くなってきました。 ワイパーは最高速度で動き始め、視界がボンヤリとして肉眼でも先行車が確認できなくなりました。

台風で遮られた視界
豪雨の中、高速道路(圏央道)を走行中

「ウゎー、こりゃあ大嵐だっ!」 と思ったとき、グーッと車速が落ちました。 メータを見てみたら「Eyesight  OFF」の表示が大きくでていました。 つまり、ドッカン降りの大雨で視界不良になると動作停止します Eyesight

※これはカメラ、ミリ波レーダー及びソナーでも同じなのですが、カメラの場合は、人間の目と同様に見えなくなると作動停止になります。雨が降っている夜間や、対向車のヘッドライトで幻惑されるときも同じです。ミリ波レーダーは雨の水滴(土砂降りの場合)にレーダーが乱反射するために使用不可になります。ソナーは、音波射出部分に水滴がつくと途端に誤作動します(以上大野)。

 車間距離調整

車間距離を3段階に変えることができます。 左は一番短い車間距離に、右側は最も遠い車間距離に設定して、停止中に運転者位置から撮影した風景です。  車間距離を短く設定したときは、かなり近づいて止まっています。 アイサイトの車間距離は設定できる

同じように高速道路を走行中の写真です。 (同乗者に撮影して貰いました。)

車間距離を遠くに設定した場合
追従車間距離を一番遠くに設定

車間距離を「近く」に設定すると、先行車との間隔がかなり狭くなります。  (この写真を撮ったとき、時速78Kmで追従している状態です。)

近い追従距離
最も短い追従距離に設定した場合

印象まとめ

オマケのつもりで購入したEyeSightですが、思っていたよりも遙かに実用的です。

昔、オートクルーズが装備されていた車に乗っていたことがありますが、混雑した日本の道路では、殆ど役に立ちませんでした。 Eyesightは、先行車に割り込まれると自動で速度調整してくれるので、日本の高速道路でもガンガン使えます。

レボーグを買ってから1ヶ月ほど経って、高速道路ではEyesightを入れっぱなしになりました。

日曜日は、毎週のように東名高速を使って秦野中井インターから横浜青葉インターまで、約40Kmのドライブをやります。 最近は秦野中井インターで高速に乗ったらEyeSightをオンにして、走行速度を時速100Km/hにセットします。 あとは出口の横浜青葉インターの料金所直前まで、アクセルもブレーキも、一切触らず、「EyeSightに任せっぱなしの運転スタイルになってしまいました」(鍵カッコ大野)。

日曜日の東名は、厚木インター付近が必ず大渋滞しています。 その大渋滞を通過するときも、アクセル・ブレーキなしのEyeSight運転です。 つまり、東名高速を時速100Km/hで飛ばしていながら、「前方に渋滞が見えたときもEyeSightにお任せです」(鍵カッコ大野)。

「完璧な機械なんか存在しないのですが、人間より信頼度が高い機械は存在するようです。 次世代の車は、きっともっと進化した EyeSightを全メーカ採用するようになるでしょう」(鍵カッコ大野)。

※※ここでこのオーナーのアイサイトに関する「印象」は実に重要な落とし穴について書いてあります!

「EyeSightに任せっぱなしの運転スタイルになってしまいました」 これは大変結構なことですが、このまま行くとドライバーのアイサイトに対する『過剰信頼(Over reliance オーバーリライアンス)』を招き、アイサイト(機械)が上記の自転車と自動車と間違えたり、大雨で作動停止を起こしたとき運転者としてのモニターが散漫になってしまう可能性があります!

そして:

前方に渋滞が見えたときもEyeSightにお任せです」。渋滞最後尾に突っ込むことにもなりかねません!

「完璧な機械なんか存在しないのですが、人間より信頼度が高い機械は存在するようです。 

スバルアイサイトオーナーのこの方は、「人間より信頼度が高い機械は存在するようです。」といっておられます。自動化装置で怖いのはまさにこのことです!

機械は誤作動、誤認識が必ず発生し、そのとき人間が運転を取って代わらなければならないのです!

 

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