クルマの運転に慣れるということ

23 10月 2016

2016年現在、44年間クルマを運転してきました

18歳で免許を取得して以来、日本でも外国でもほぼ毎日クルマを運転してきました。44年間です。飛行機の場合は動かすことを『操縦』直訳すれば control 、普段遣いは fly(飛ばす) 。クルマは『運転』直訳すれば drive 。工場にある旋盤など工作機械を動かすことも『運転』といいます。たぶん drive の直訳でこうなったのでしょうね。drive というのは力(推進力)を与えるという意味で、control コントロールとは少し意味が違います。ゴルフのドライバー、ドライバーショットという言葉を思い浮かべるとなるほどと思えます。”Don’t drive me angly !!”『 怒らせるようなことすんなよ !! 』なんていったりします。一番しっくりくる英語は operate オペレート、operater オペレーター(運転手)だと思います。それでいま、運転するということに慣れきってしまい、運転に相当の余裕が生まれています。逆に車庫入れなどをすると、年齢的に運転が下手になったということも実感します。運転に余裕が生まれると走行中に、考え事をしたり、携帯電話をかけたり、スマホのLINE をしたり、ポケモンをしたり、ひどい人は漫画を読んでいる人も見かけます。いずれも停車して行うべきものですが面倒なので走行したままついやってしまいます。既報(2016年10月22日付本欄 自動ハイ・ロービーム切り替え装置の普及について)で取り上げた、北海道で夜間雨中、道路路肩を歩いていた17歳の娘さんをはねたクルマの運転者は、ライトをロービームにしていたばかりではなく、ラジオのチューニングに気を取られていたそうです。この話を聞いてわたしは考え込んでしまいました。わたしも運転中によくやっていることだからです。免許取りたての頃には、運転することにそれは体がガチガチに緊張してやっていました。また、人間の『集中力』ということを考えると、わたしが現役のパイロットだった頃、新しい機種への変換訓練など、実機でもシミュレーターでも、一時間以上は集中力が切れて、いくらやっても時間の無駄という状態でした。歳をとればこの集中力持続時間はさらに短くなります。飛行機の操縦でもクルマの運転でも、慣れればなれるほど最初からこの集中力がなくなります。勿論、旅客機のパイロットやバスの職業運転手は、職業的にいつもある程度の緊張があり、集中力を意識していると思います。

人間の集中力持続時間は約90分(心理学)

人間の集中力持続時間は一般的に90分といわれています。これが定説となって、大学の授業の長さは、90分です。クルマの運転の場合、運転者は、スピードがでているために危ないという意識が頭の片隅にあって、ある程度の集中力が保たれると思いますが、これも長年の慣れが日常的なルーティーンワークに埋没させてしまうような気がします。わが国では交通事故を起こすと『業務上過失致死傷罪』に問われますが、『業務上』とは『日常的に』という意味です。

わたしは、44年間ほぼ毎日クルマを運転してきて、2回自分のミスで交通事故を起こした経験があります。最初の事故は、いまから42年前、ブレーキの効きが悪いモトクロス用のヤマハDT-1という250CCのオートバイでユーターン中の乗用車の横っ腹に突っ込みました。幸いけがはありませんでした。2回目の事故は28年前、アメリカ カリフォルニア州で車載電話機をかけている最中、赤信号を見落として、左横から走行してきたフォード リンカーンの右側面、右後輪辺りに衝突しました。わたしのVOLVO 242インタークーラーターボは、前側の損傷が激しく、ラジエーター部分まで損傷しました。全損事故になってもおかしくないくらい壊れましたが、80万円くらいかけて修理してまた使いました。一方、フォード リンカーンの方は、パンクしたタイヤを交換するだけで現場から走り去っていきました。アメ車は強いなーと思った記憶があります。ともあれ、幸い双方とも怪我がなくてラッキーでした。

クルマ社会を問い直す会

交通事故で肉親を亡くされた方々がたくさん入られているNPO団体では、クルマ優先社会を人間優先社会に改革しようという運動を行っています。しかし、もともと共存するには相いれない異質のものだけにその実現は相当難しいのではないかと思えます。そこで、もともと相いれない性質のものを仲良く共存させるためには、それなりの努力が必要です。どうしたらよいのでしょうか?

人間が自動車を運転すれば遅かれ早かれ交通戦争といわれるような状況になりますので、交通事故を減らすためには、テスラのイーロン マスクCEO(最高経営責任者)が言っているように『自動運転』しかなくなるというのが結論でしょうか?

動画出典:youtube

コメントする

お名前・メールアドレス・コメントは必須です。
メールアドレスは公開されません。

トラックバックURL