人間がペダル踏み間違いをする原因に関する大野仮説 

06 1月 2022

ペダル踏み間違いを起こす原因に関する仮説を考えました。

ペダルを何故踏み間違うのか、機械側の原因はペダル配置にあることは明らかですが、人間側の原因は何処にあるのか? ここ10年ずっと考えてきました。

過去に発生したペダル踏み間違い事故をみると、そのほとんどが、特に緊急ではない通常ブレーキ操作から発生していると考えられます:

<踏み間違い事故前走行状況>

 

事故前の運転状況 件数 割合
前進 929 39%
駐車時 600 25%
後進 254 11%
右折時(左ハンドル車) 119 2%
減速または停止 116 5%
左折時(左ハンドル車) 113 5%
駐車枠からの出発時 75 3%
路肩からの出発時 49 2%
走行レーンでの停止 27 1%
走行レーンから駐車へ 19 1%
道路上の障害物回避時 15 1%
U ターン時 15 1%
レーン変更または合流 12 0%
追い越し時 3 0%
走行レーンからの出発 3 0%
その他 59 2%
総   計 2,408 100%

※米国ノースカロライナ州警察データべース(2004~2008年)*¹より

 

事故発生時の明確な速度は解りませんが、停止からというのは5%というところです。

※この資料はアメリカ合衆国ノースカロライナ州警察のデータベース(2004~2008)から統計をとったものです。

この統計によれば、ペダル踏み間違いを起こす前の走行状況を見ると91%が何らか走行中に発生しています。停止からのペダル踏み間違いは全体のわずか8%です。 ただし、ペダル踏み間違いが時速何キロで発生したかについては統計がとられていません。 また、この事例では「緊急事態下の踏み間違い」でないことは明らかです。

以上出典:大野一郎資料

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緊急事態下ではむしろ「踏み間違い」はないと考えられます。つまり、通常のブレーキ操作で何故、踏み間違いが発生するのかと。そこで緊急下でないブレーキ操作とは、どんな仕組みで行われるのかについて考えてみました:

わたしが注目したのはパブロフの条件反射です:

条件反射(訓練や経験によって後天的に獲得される反射行動のこと):

パブロフは、「条件反射は大脳皮質に新しい結合が成立することによって形成される」と考えました。

すなわち:

ブレーキ操作における脳内処理過程:

  視神経からの刺激  大脳皮質情報認識  記憶貯蔵庫からの情報判断  運動神経中枢  行動

パブロフの「条件反射」による考え方:

  視神経  運動神経

中2生物【刺激と反応・神経】 | 中学理科 ポイントまとめと整理

画像出典:wikipedia

大野学説の考え方:

「条件反射は大脳皮質に新しい結合が成立することによって形成される」とは、自動車の運転においても、日常的な無意識下でのブレーキ操作で、視覚神経からの刺激が長期記憶貯蔵庫からの状況認識とそれに次ぐ判断の過程を飛び越して運動神経に直接作用する新しい回路が形成されるのではないかと思われます。

つまり、この新回路形成の結果、ブレーキ=踏むということのみがクローズアップされてアクセルからの「踏み換え」という段階が忘れ去られるのではないか という考え方です。

しかし、本当にそうなるのかということは、実験不能ですのであくまで仮説の域を出ません。しかし、現実に緊急事態下ではないときに多くの踏み間違い事故が起こっているのは間違いのない事実です。

ペダル踏み間違いは依然として多発しています。発生原因の如何を別としても、その対抗策はあります:

必ずしも電子的な装置に頼らなくても、現在のアクセル操作方法を変えるとか、ブレ―キ操作方法を変えるなどの簡単な方法がそれです(左足ブレーキペダル装置など)。

ただし、このような方法は、現在のAT自動車運転法に反しますので、国交省は、性能認定しようとしません。曰く:

科学的に証明できないものは認定できないということです・・・。

しかし、これは、科学的認定ということではなく、「常識」というものではないでしょうか?

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